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特集 情シス事情を知る

DXがさらに進むデジタルアダプション 早期に導入すべき理由とは

2022年10月

DXへの取り組みを開始した企業は数多いが、実際にその成果に満足している企業は少ないのではないだろうか。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査結果においても、DXの取り組みにおいて一番成果が出ている「業務の効率化による生産性の向上」でも「既に十分な/ある程度の成果が出ている」という回答は3割程度であることが分かった。

DXを軌道に乗せるためには長い時間を要するのが現実である。そうした中で有用なのが、デジタルアダプションと呼ばれるアプローチだ。これはいかなるものなのか。概要の説明と共に実際の事例を交えつつ、デジタルアダプションを早期に導入すべき“理由”を示す。

DXは思ったように進んでいない

昨今、経済産業省による「DX認定制度」など行政からの後押しもあり、DXに取り組む企業が増えている。しかし、その成果はなかなか上がっていないのが実態だ。

IPAが2019年に発表した「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」の結果において、DXの取り組みに関する成果の創出状況を尋ねたところ、比較的取り組みやすいと思われる「業務の効率化による生産性の向上」であっても、「既に十分な/ある程度の成果が出ている」という回答は3割程度にすぎない。本来のDXの目標ともいうべき「新規製品・サービスの創出」では、「既に十分な/ある程度の成果が出ている」という回答は1割前後だった。

DXで成果が出ない多くの企業に共通するのが人材不足の問題で、特に「プロデューサー」や「データサイエンティスト/AIエンジニア」「ビジネスデザイナー」といった人材については、「大いに不足」と回答した企業が50%以上となっている。

もっとも、人材に関しては上記のようなDX推進のリーダーや専門家の不足ばかりに原因があるわけではない。むしろ本当の課題は、業務のデジタル化に対して後ろ向きで、なかなか意識を変えることができない一般の従業員にある。

新たなシステムを導入にあたってマニュアルを作成し、研修を実施するものの、「マニュアルや動画もあるけど、見るのが面倒」「研修は受けたけど忘れてしまった」「月に1回しかやらない作業なので、すぐ忘れる」「ITリテラシーの差が激しく浸透しない」などの理由により、新システムの活用は思うように進まない。

このような状況では、デジタル時代に向けた組織やビジネスの根本的変革を目指すDXの取り組みには、膨大な時間を要してしまう。

デジタルアダプションこそが有用

DX推進する上で最も重要なことは、業務のデジタル化のために導入したシステムをしっかり組織内に定着させることにある。

この課題を解決するためぜひ注目してもらいたいのが、「デジタルアダプション」という考え方である。導入したシステムが企業内で定着化している状態を指す言葉で、「システムの定着のためにマニュアルや研修に頼らず、またITリテラシーに関係なく、ユーザーが直観的にシステムをつかいこなせるようにする」ことを目指す。

そして近年では、デジタルアダプションを支援するITツールも相次いで登場している。次のような機能を備えた製品だ。

  • 分析機能:ソフトウェアの利用状況をデータで収集・分析し、ユーザーの定着度を見える化する
  • ガイド機能:ユーザーに対してソフトウェアの使い方をサポートする
  • FAQ機能:ユーザーの「わからない」を解消し、IT担当者やヘルプデスクの負担を軽減する
  • トレーニング機能:ソフトウェアの操作マニュアルや研修を不要とし、使いながら学ぶことができる

特にデジタルアダプション製品の中核ともいえるのが、上記のうちのガイド機能である。一般的な仕組みとしては、新規導入した業務アプリケーションやSaaSなどほとんどのソフトウェア(※Webベースのシステム)に付加するだけで、たとえばユーザーが操作しているフィールドに「何を入力すればいいのか」といったことを細かく教えてくれる。

既存のアプリケーションでも、ユーザーが画面内のオブジェクトやボタンにカーソルを重ねるとサポートメッセージが表示される「ポップアップヘルプ」や、ユーザーと対話型で操作を導いていく「ウィザード」などを搭載したものがある。

これらと同様に複雑な操作をナビゲートする仕組みを、任意のアプリケーションやSaaSに影響を与えることなく、自社の業務内容やワークスタイル、ユーザーのITリテラシーに合わせた形で柔軟に実装できるのがガイド機能である。

企業ごとの個別導入はもとより、各SaaSベンダーが提供するサービスの付加価値やオプションとして、ガイド機能を有効活用するケースも今後増えてくると考えられる。

事例に見るデジタルアダプションの導入効果

実際にデジタルアダプションのガイド機能を活用することで、新規導入したシステムを業務現場に効果的に展開することに成功した企業がある。

この企業も新規システムの導入に際して、「すべての機能を従業員は使いこなしてくれるのか」「皆多くの仕事を抱えておりトレーニングへの集まりも良くない」「膨大なマニュアルは誰も見てくれない」「システム稼働後に殺到すると予想される従業員からの問い合わせにIT担当者は対応しきれるのか」「高価な投資を行ったにもかかわらず、結局は現状の業務のやり方に手戻りしてしまうのではないか」といった多くの不安を抱えていたという。

この課題を解消したのが、下記のような特徴をもったガイド機能だったのである。

まずは業務シナリオに沿った伴走型のガイド機能だ。あたかもトレーナーが寄り添っているかのように、一つひとつの手順に対してきめ細かなナビゲーションを行うことで、だれもが迷わずにソフトウェアを利用できるようにする。

次に対話型のガイド機能である。既存のソフトウェアと同じように対話型で操作していく仕組みで、ユーザーとの一問一答形式でデータ入力をサポートする。

そして3つめが、初心者向けのチュートリアルである。既存のポップアップヘルプの進化系ともいうべき仕組みで、ユーザーが操作を行っている実画面上にテキストメッセージだけでなく、画像や映像を交えた説明を表示する。操作のサポートとともにそのソフトウェアに対する理解を深めるトレーニング目的でも効果を発揮するガイド機能だ。

これらのガイド機能を活用した結果、この企業は多くの従業員の間に存在していたデジタルに対する拒否反応を解消。新システムも今ではすっかり従業員に定着し、全社レベルでの業務変革が進んでいる。

グローバル競争の激化、コロナ禍の影響を受けた市場の低迷、ロシアのウクライナ侵攻や米中対立の激化による経済安全保障リスクの高まり、サステナビリティへの対応など、かつてない多くの難題を突き付けられた企業が生き残るためには、抜本的な業務効率化や生産性向上、ビジネスモデルの変革、新規ビジネスの創出が欠かせない。

その意味でもDXへの取り組みをさらに前進させていくことがあらゆる企業に求められており、デジタルアダプションをいち早く活用することでデジタル化の課題を乗り越え、他社とのビジネス競争に打ち勝ってほしい。

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