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コンサルタントのコラム

顧客接点の統合と可視化

[第1回]顧客接点の重要性

2009年7月(2020年10月改訂)

顧客接点とは

最悪の時期は脱しつつあるようだが、「100年に1度の経済危機」「売上げ前年対比○○%減」など、不景気なニュースが新聞紙上をにぎわせている。
この状況下で多くの企業はリストラや経費削減などによるコスト削減に力を入れている。

コスト削減への取り組みは緊急避難的にはやむをえない部分があるが、コスト削減活動に終始してしまうと企業の命題である継続的な発展には直接結びつかないのではないだろうか。
次の成長に向けて必要な視点は何であろうか?

今後の企業の継続的な発展のために必要な視点の一つが「顧客接点の強化」であると考える。
顧客接点とは、企業と顧客が直接接触するコンタクト・ポイントの事である。
業種業態、BtoB、BtoCなどによって顧客接点は様々あると思うが、代表的なものは下記である。

[図]

改めて言うまでも無いが、顧客は顧客接点を通じて企業の物やサービスを認知し興味・欲求を持ち、行動して購入する。
また、その後も顧客接点を通じて継続的にコミュニケーションを取ることにより、継続購入・追加購入やロイヤリティの向上を目指すことになる。

顧客接点の重要さは十分に認識されていると思うが、現実としては次のような課題があると考える。

  • 顧客接点での活動を属人的能力に頼っている
  • 顧客接点での対応ノウハウ・業務フローが体系化されていない
  • 顧客情報や対応情報が連携しておらず、ばらばらに存在している
  • ITを顧客接点で有効に使い切れていない

日本では今後人口が減少し、不景気で未来が見えない中、企業・個人とも財布の紐がきつくなりマーケット規模が縮小し、競争がよりはげしくなることも考えられる。
製品やサービスの差別化が難しくなり、コモディティ化が進む中どこで自社の強みを出せばよいのか。
このような状況下で、既存の顧客を維持・拡大し、新規顧客を取り込み、生き残っていくためには、「顧客接点の強化」が必要となるのではないだろうか。

ITシステムの歴史と顧客接点

具体的な顧客接点の強化について検討する前に、情報システムの歴史を簡単に振り返ってみたい。

企業にて使われ始めたITシステムは省力化(経費削減)のための物であった。
給与計算、会計記帳、売上集計など定型的で処理量が多く、手作業での集計が大変なものが対象となった。
EDPと呼ばれ、手作業で数日かかる作業をITシステムを利用することで数時間で終わらせることができ大きな成果をあげた。

その後もOA化というコンセプトで、パソコンで文書や表を作ったり、データ管理を行うことにより事務作業の省力化・効率化が進んだ。
またERPという経営資源の有効活用というコンセプトに基づいたシステムも定着し、効率的な経営活動を支援してきた。
情報系システムと呼ばれる世界でも、社内の情報をまとめて活用しやすくしたポータルシステムや、知識・ノウハウを蓄積するナレッジシステムが活用されてきた。

しかし、これらの仕組みの多くはバックオフィスで使われ、社内業務の省力化(経費削減)、効率化には大きな成果を挙げてきたが、顧客接点の強化という切り口ではどうであろうか?
既存のITシステムは顧客接点の強化という面では、あまり効果を発揮できていなかった部分も多いと考える。

今後は省力化(経費削減)、効率化に寄与する内向き(バックオフィス向け)のITシステムだけではなく、顧客接点強化を目指す外向きの競争力強化、売上向上を目指したITシステムの活用も必要ではないだろうか。
顧客接点をITを活用して強化し、お客様と企業とのコミュニケーション・経験を良いもとのしていくことが必要である。

顧客接点強化を実現するITシステム

近年IT技術の進化に伴い、顧客接点強化のための仕組みもそろいつつある。

インターネットの普及によりWebサイトや電子メールという新しい顧客接点が生まれた。最近ではBlogやSNS、twitterなどの様々な顧客接点が発生している。

また、電話という顧客接点も変化している。お客様相談室のような様々な問合せに対応できる仕組みや、適切なタイミングでお客様に電話が出来るCTIと呼ばれるコンタクトセンターの仕組みも整備されてきている。

広い意味ではCRMという、営業のアプローチから商談管理、商品の売買、保守、問い合わせやクレームへの対応など、顧客接点での発生データを一貫して管理・活用しようという仕組みも提供されている。

もちろんこれらのITシステムを導入するだけでは十分な効果は期待できない。
事前にしっかりと目的・ゴールの設定、現状の課題の棚卸し、対策の検討、運用・モニタリング方法について検討する必要がある。そしてこの検討の際に意識する必要があるのは顧客満足度を得られるかどうかである。

自社の理論ではなく、顧客視点で考え顧客満足度を得られるように顧客接点での業務を定義し、流れの中でITシステムを有効に活用していく事が顧客接点の強化につながると考える。
その結果初めてお客様に喜ばれる顧客接点となり、その接点で有用なコミュニケーション・経験が発生するのではないだろうか?

執筆

NECネクサソリューションズ
コンサルタント 住中 真史
[ITコーディネータ、PMP(Project Management Professional)認定]

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