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コンサルタントのコラム

顧客接点の統合と可視化

[第2回]顧客接点の評価方法

2009年9月(2020年10月改訂)

顧客接点の振り返り

前回のコラムでは、顧客接点という視点の必要性について考えてみた。

企業と顧客が直接接触するコンタクト・ポイントである顧客接点でいかに適切なコミュニケーションを取り、良い経験をしてもらい、行動を促進し、中長期的な良い関係が築けるか。
これはBtoC、BtoBにかかわらず今後の企業活動において大きなテーマの一つになると考える。

日本国内で考えた場合、今後人口が減少していく中、多くのマーケットはこれから著しく拡大していく事は難しい状況にあると考える。
そのような状況下では一度獲得した顧客を離さない、離れたくないと思ってもらうことが必要である。

一般的に1:5の法則と呼ばれる「新規顧客に商品・サービスを販売するコストは、既存顧客に商品・サービスを販売するコストの5倍かかる」という考えを再確認するべきである。
また、「顧客生涯価値(LTV=life time value)を最大化し顧客シェアを追求すべきだ」という考えも重要である。

このように、今後より注目されると考える顧客接点の強化は、どのように進めていけば良いのだろうか。
そこで再度考え直したいのが「顧客満足度」という指標である。

顧客満足度というものさし

みなさんは顧客満足と聞くとどのような内容を想像するであろうか。
大辞林第二版には、
「顧客のニーズを充足することにより得られる顧客の満足。経営手法として商品の機能・品質の差別化が難しいなか,顧客へのサービスの個性化によって競争企業との差別化を図ろうとするものをいう。」
とある。

顧客接点と絡めて考えた場合には、「顧客接点で顧客が受けた経験・サービスに対する満足度、評価」と考えることができる。

企業は顧客接点で多くの施策や打ち手を実施しているが、それらの活動の結果、顧客満足がどうなったのかを確認できている企業はどの程度あるだろうか。
もちろん定量的に情報が取りづらい活動もあるが、出来得る限り顧客の声に耳を傾け情報を集める姿勢が必要である。

余談になるが、セミナーなどで顧客満足が重要と説明すると、よく質問されるのは
「赤字(安い価格)で物・サービスを提供すると顧客に喜ばれるが、それでは会社が潰れてしまう」
という内容である。

もちろん、顧客満足を向上させるためには何でもかんでも顧客の言ったことを実施する、という判断は最良ではない。
顧客の声に耳を傾けることは必要だが、その結果、顧客接点でどのようなアクションを選択し実施するかは高度な判断を要求される。

また視点を変えれば、会社が潰れてしまっては顧客に継続的に物・サービスを提供できない。そして結果として顧客に迷惑をかけてしまい、顧客満足が低下してしまう。
そのため適切な利益を上げるのは顧客満足の維持・向上のために必要であると説明している。

継続的改善

顧客のニーズや外的要因の変化は近年大変早くなってきている。
あるタイミングでは正しいと考えた顧客接点での打ち手が、状況の変化により顧客満足を得られなくなってしまう場合がある。
そもそも前提条件を見誤り、的を外した打ち手を実行してしまう場合もあるだろう。

このような結論は実施後の評価・モニタリングにより、初めて見えてくる反省点である。

そして、その反省点を次の打ち手に活かしていくサイクルを回して行くことが重要である。一般的にPDCAや継続的改善と呼ばれる。
このサイクルをいかに早く多く回すことが出来るかが、企業のノウハウ蓄積の差となり、企業競争力の差となる。

このサイクルを回していく際に陥りがちな間違いは、顧客視点ではなく自社視点・社内からの視点で反省や次の打ち手を検討してしまうことである。
インターネットを始め多種多様な情報がある現在、顧客視点での発想でないと顧客満足を向上させる(顧客の期待値のハードルを越える)打ち手の創造は難しい。

ITによる顧客満足の見える化

ここまで顧客接点を評価するものさし、改善のヒントを得るための指標として顧客満足を考えてきた。
しかし顧客満足を捉えるのは、アンケートやヒアリングなど手間が掛かるものも少なくない。しかし、ITを活用することにより、今まで見えづらかった顧客満足を比較的容易に可視化することができる。

Webのアクセスログを分析する

重要な顧客接点の一つとして見過ごせないWeb(ホームページ)では、アクセスログを取ることでどのページから入ってきて、どのようにページを推移して最終的に出て行ったかがトレースできる。
これにより、例えばある数ページで構成されているページでトップページはアクセス数が多く興味を持って見てもらえるが、途中のページで離脱してしまう。といった情報を確認できる。
ここからその情報には多くの顧客が期待していたが、内容もしくはレイアウト等の見せ方が十分ではなく、顧客満足を得られず離脱してしまったと考えることができる。

テキストマイニングを利用する

アンケート等でよく見られるフリー記入項目での意見収集は、回収数が数百であれば読むことも可能である。それが数千、数万になるととても人間では読みこなすことができない。
もしくは「お客様相談窓口」のような、顧客からの問い合わせやクレーム等を受け付ける窓口を用意している企業に蓄積されている膨大なテキスト情報を、人間が読みこなし傾向をまとめることはほぼ不可能である。

このような場合に「テキストマイニング」というITを利用することにより、容易に傾向の把握ができる。
例えば性別、年代、地域別、商品群別などのおもな話題を確認できる。
この結果からよかった点は横展開していき、悪かった点は改善していくサイクルを回していくことができる。

結果をまとめて表示する

このような様々な分析結果をひと眼で見られるように、ポータルやダッシュボートにレイアウトし、信号機やメーターのように直感的に表現し意思決定者にタイムリーに情報提供していく取り組みも実施されている。

顧客満足の視点がなければ始まらない

今後より注目されると考える顧客接点の強化のためには、絶えず顧客満足という顧客目線からの視点が必要である。
この視点を持たずに顧客接点の強化に取り組んでも大きな成果を得ることは難しいだろう。

この顧客満足をモニタリングしていくにはITを有効活用すべきである。それにより今まで見えなかった事、見えにくかったものが明確になってくる。
さらにITを活用することにより状況を把握できるまでの時間が非常に短縮される事により、顧客のニーズや外部環境が大きく変わる中でも、適切なタイミングで意思決定が可能となる。

執筆

NECネクサソリューションズ
コンサルタント 住中 真史
[ITコーディネータ、PMP(Project Management Professional)認定]

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