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コンサルタントのコラム

顧客接点の統合と可視化

[第3回]顧客接点温度による顧客接点状況の可視化

2011年9月(2020年10月改訂)

顧客接点状況の可視化

今までの連載では顧客接点についての考え方や注目すべきポイントについて考えてきた。
今回はその顧客接点において顧客が企業や商品・サービスに対してどの程度興味を持っているか、親近感を感じているのかを定量的に測定できないか検討してみたい。

お客様でよく聞く顧客接点での課題としては、

  • プロモーションなどを実施しお客様に商品・サービスに興味を持っていただいても、具体的な営業活動へのつなぎが出来ていない。
  • 興味を持っていただいても、それを可視化出来ておらず、チャンスを逃してしまう。
  • いったん築いた関係に対して適切なリソースを投入し継続していくのが難しい。

といった内容である。
これらの課題に対して顧客接点での定量的な「ものさし」を活用することにより解決することが出来ないだろうか?

今まで興味や親近感については営業の感覚やアンケートやRFM分析(最新購買日、累積購入回数、累積購買金額の3軸で評価)などで測定されてきた。
今後はこれらに加え、今までの連載で示した様に顧客接点における活動がITで捉えられるようになってきており、顧客接点でのコンタクト履歴が新たな測定の軸として活用が出来るのではないかと考える。

具体的には顧客接点で発生したコンタクトごとに点数をつけ、それを積算し定量的に顧客の状況を評価するのである。
これを「顧客接点温度」と呼び、顧客の状況把握に活用する。
例えばセミナー参加は「10ポイント」Webによる資料請求は「5ポイント」、営業訪問は「13ポイント」、購入・サービス提供は「20ポイント」のように設定する。
すなわち、顧客接点での活動が活発になれば顧客接点温度は上昇する。 一方、一定期間コンタクトが無ければポイントを減らして顧客接点温度を下げていく。

対象業種としては、BtoBはもちろん、BtoCでも家や車などの比較検討し購入するタイプの業種には適応できるのではないかと考えている。

商品・サービス購入前の顧客接点温度

近年、商品・サービス購入前の顧客の動きをつかみ、見込み顧客に育てていく「リードナーチャリング」の手法が一部で注目を浴びている。
これはターゲットリストやセミナーなどから情報を入手した顧客に対して、DMやアウトバンドコール、セミナーなどを組み合わせたインサイドセールス(内勤営業)でアプローチし有望な見込み顧客まで育成していくプロセスのことである。

この有望な見込み客を育成していく上での、「ものさし・基準」としても「顧客接点温度」は活用できると考える。
「顧客接点温度」の活用により、購入する前の認知・興味の段階から顧客の活動を捉えることができ、従来の要望が顕在化してから打ち手を実施するのではなく、要望が顕在化する前に打ち手を実施できるようになる。

また、顧客が急に活発に活動(資料請求やセミナ参加など)を開始し、顧客接点温度が急激に上昇した場合は何かの検討を開始している可能性がある。
このような顧客の検討開始の「きざし」を逃さないようにアラームを出すことで、迅速に営業対応することが出来るのではないだろうか。

商品・サービス購入後の顧客接点温度

商品・サービスの購入後も適切なコミュニケーションが取れているかを測定し確認する「ものさし」としても「顧客接点温度」を活用することが出来ると考える。
営業の定期的な訪問が無かったり、一定期間顧客が活動していない場合は顧客接点温度が下がる。ある閾値より顧客接点温度が下がるとアラームが出て、営業の訪問をうながす活用も出来る。これにより顧客の離反も防げるのではないだろうか。

また、購入履歴情報からクロスセルやアップセルを検討する際、顧客接点温度が高めの顧客を抽出しキャンペーンを実施するなどの活用法も考えられる。

このように、顧客接点温度を「ものさし・基準」として評価することにより、購入後の顧客を放さないための適切なタイミングでの打ち手を検討することも出来るのではないだろうか。

顧客接点温度実施上の課題

このように顧客接点状況の可視化が出来るのではないかと考えるが、実施上の課題が3点あるのではないだろうか。
これらの内容に留意しないと正しい可視化は難しいと思われる。

1.データの一元化

社内に複数ある顧客接点に絡むシステムのデータの一元化が必要である。プロモーションのデータ、顧客のデータ、問い合わせ履歴のデータ、SFAのデータなど、これらを統合する必要がある。
この情報が整理・統合されて始めて顧客接点温度は算出出来る。 データが分散していたり、現在管理していない場合は業務改善やシステム構築も検討する必要がある。

2.配点内容の実現度

顧客接点活動における配点は業種によって異なる。その業種の顧客の行動を最もよく表現できる配点にすべきだ。
特に検討の「きざし」のアラートは顧客が比較検討する際の動きをしっかり理解する必要がある。
現在NECネクサソリューションズでは自社で蓄積されている顧客接点情報を元に、この配点の検討を行っている。
現在はまだ検証段階であるが「きぎし」についてもその実用性を評価している。

3.継続的見直し

顧客接点での顧客の行動は社会環境や商品・サービスの品揃えの変化により変わってくることが考えられる。 そのため、当初は顧客の動きを的確に示していた配点も、一定期間で見直す必要がある。この活動により、顧客接点温度が顧客の実態を示す「ものさし・基準」として使えるものであり続けると考える。

おわりに

この顧客接点温度というコンセプトは新しいものであり、今後も修正し成長させていく必要を感じている。
まずは弊社社内で実際に活用しブラッシュアップを重ね、皆様にリリースできるよう改善を積み重ねていく予定である。
その成果については、このコラムやセミナーの中でご報告させていただきたい。

執筆

NECネクサソリューションズ
コンサルタント 住中 真史
[ITコーディネータ、PMP(Project Management Professional)認定]

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