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公認会計士が回答!グループ管理どうする?(第3回)

ERPで適時・効率的な経営課題の抽出

2023年11月

Q.

創業した会社が無事に新規株式公開(上場)を果たし、子会社も増えてきました。企業規模が拡大する中で経営を効率的に行うには、どのような点に留意すれば良いでしょうか。

A.

(1)システム統一の重要性

第2回において、連結会計を導入する際に留意すべき点に触れました。連結会計は、親会社及び複数の子会社からなる企業集団(連結グループ)を、あたかも一つの企業体として会計処理を行うものです。

連結会計の決算においては、連結修正仕訳(「(借方)売上xx(貸方)仕入xx」等)を起票して、企業集団内部における取引をなかったものとして処理(相殺消去)する必要があります。第2回において、この相殺消去を正確に行うには、各社で使用している会計システムを同じものに統一することが有効と述べました。

図版:連結会計の考え方図1.連結会計の考え方

会計システムを揃えることで、連結グループ内で相殺消去対象の債権と債務の情報が整合しない場合に、アラートを出してくれる機能を使用できることがあります。例えば、親会社であるP社が子会社であるS社に商品を100円で販売し、資金の決済が未了であった場合を想定しましょう。この場合、「(借方)買掛金100(貸方)売掛金100」という連結修正仕訳を起票して、P社が計上しているS社に対する債権(売掛金)と、P社に対するS社の債務(買掛金)を相殺消去しなくてはなりません。

しかし、例えばS社の経理において起票ミスでこの買掛金を80円で計上したとしましょう。この場合、両者の会計システムを揃えていると、S社側でP社側の持つ債権の情報と整合しないためにエラーとなって決算を締められないように機能追加できることがあります。各子会社の決算が締まって親会社側で連結処理を行う段階で、本来一致するはずの複数会社間の金額不一致が判明すると、ただでさえタイトな上場会社の決算スケジュールでは痛いタイムロスになるので、子会社決算の段階で正確な数字を計上できるようにすることが大切です。

(2)ERPの導入で経営課題をスピーディーに把握

また、第2回において、連結会計における相殺消去を効率的に行うために勘定科目体系や勘定科目の粒度を揃えることで、会計数値を経営に活用しやすくなるという点についても触れました。

会計システムそのものの説明からは少しそれるのですが、ERPを導入している会社も多いです。ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略です。ばらばらに行われがちな販売・営業活動、仕入・購買活動、在庫管理、債権管理、債務管理、人事、会計といった基幹業務を統合的に管理する手法や、そこから転じて統合的に基幹業務を管理するためのソフトウェアを指します。

ビジネス環境が激しいスピードで変化する現代においては、経営課題をリアルタイムに把握することが重要です。スピーディーな課題抽出、対応が行えないと、新しいビジネスチャンスが生まれそうな領域があったけど社内の人員不足でチャレンジできなかったといった機会損失を被るかもしれません。ばらばらな基幹システムを使用していると、販売と在庫等、異なるシステム間で本来連動しているはずの関係を知りたい場合でも、それぞれのシステムが持つデータを一度Excel等にダウンロードしてから両者のシステム間でデータの受け渡しを行わないといけないため、リアルタイムでの分析を実行しにくいのです。

ここで、ERPを導入すると、「購買活動(仕入)や人事(人件費)といった原価項目と販売の相関関係を知りたい」「販売と物流(在庫)の相関関係を知りたい」といった経営課題に対する分析をスピーディーに行えるようになるため、迅速な意思決定が可能となります。

今、述べたのは1社の内部における複数の基幹業務をERPで統合するというものですが、ここで(2)の冒頭に立ち返り、連結グループ内で同じERPソフトに揃えるという有用性についても触れましょう。勘定科目体系や科目の粒度を揃えることで、連結グループ内の複数の企業に対して横断的に経営課題の抽出を行いやすくなるというわけです。例えば、グループ各社の営業利益率の推移を見て、A社ではどの費用が増加していて利益率が圧迫されているが、B社では同じ費用について抑制できていて利益率が改善しているといったことが分かります。

スピーディーな経営課題把握、対応は現代においては会社の成長に欠かせないものです。リアルタイムでの課題対応を行えるようにするには、ERPを適切に導入するのは一つの有効な手段です。

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