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コンサルタントのコラム

在庫のはなし

[第4回]在庫最適化の効果とは

2012年9月(2020年10月改訂)

在庫最適化サービス

2011年11月より提供を開始した「在庫削減支援サービス」が、「在庫最適化サービス」として、リニューアルされました。

従来のサービス効果は「過剰在庫の削減によるキャッシュフローの改善」でした。この効果に加えてリニューアル後は、このサービスが採用しているDBM理論がもたらす「過少在庫の増加(欠品の減少)による売上の増大」という、もうひとつの効果をお客様に正しくお伝えするための名称変更を行いました。また、多くのお客様の声を反映して、より利用しやすく効果を実感しやすくするためのいくつかの変更も行いました。

在庫最適化の効果

在庫の最適化により発生する現象と、その現象がもたらす効果との関係を表すと次のようになります。

A:[現象]過剰在庫の削減→[効果]キャッシュギャップの短縮

B:[現象]過少在庫の増加→[効果]売上の増加

A.過剰在庫の削減

[図]

過剰在庫の削減は、在庫日数の短縮となり、キャッシュギャップの短縮となります。キャッシュギャップとは、投入した資金が再びキャッシュになって戻ってくるまでの日数です。キャシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)とも呼ばれます。

キャッシュギャップが短いということは、必要な運転資金が少なくてすむ、すなわち、資金繰りが好転するということです。

B.過少在庫の増加

[図]

過少在庫の増加は、欠品の減少となり、売上の増加につながります。

売上の増加により、それに比例した粗利の増加という効果が現れます。

二つの効果は複合して現れる

一見してお分かりになると思いますが、上記の二つの『現象』は全体で見ると打ち消しあうものです。

実需にあわせて、あるアイテムは在庫量が減り、あるアイテムは増えるということが、同時に同じ金額だけ発生すると、全体として在庫金額の増減はゼロになります。そのとき効果はなくなってしまうのでしょうか?

AとBの現象が同額発生すると、Aの効果(キャッシュギャップの短縮)はゼロになります。しかしBの効果(売上の増加)は発生しています。具体的に言うと、「売れない商品在庫を減らした分の運転資金で売れる商品を仕入れて売った」という状態です。

ほとんどの場合、在庫最適化の2つの効果は複合して現れてきます。 資金繰りが好転し、売上が増加している状況を2種類の評価軸を使って評価するのは大変です。

「在庫に関するジレンマが解消されている」ことを正しく評価する

では、在庫最適化が経営にもたらす効果を統一的に評価するにはどうしたら良いのでしょうか?

第2回のコラムで、流通業における在庫に関するジレンマを説明しましたが、在庫最適化は、このジレンマを解消するための取組みだと言えます。

[図]

ジレンマが正しく解消されているということは、共通の目的が達成されているということで評価する必要があります。共通の目的とは「A:利益を最大化させる」です。言い換えると『効率的に利益を出している』という状態であり、それを評価できる尺度が必要だということです。

交叉比率

流通業で良く利用される経営指標に「交叉比率」(注)があります。
「2つの商品のどちらを店頭に置くべきか?」といった場合の判断基準として使われることが多い指標です。

具体的には、『一定期間に、原価の何倍の粗利(売上総利益)が稼ぎ出されているか?』を表したもので、計算式は、下記のとおりです。

交叉比率 = 粗利額÷平均在庫金額 = 粗利率×在庫回転率

原価が100円の二種類の商品の交叉比率が150%と200%の時、200%の商品のほうが、粗利を稼ぎだす能力が高いことを表しています。この能力のことを『利益ポテンシャル』と私達は呼んでいます。

交叉比率は個々の商品の利益ポテンシャルだけではなく、店舗や営業所、会社全体の利益ポテンシャルを評価することにも使えます。 つまり、在庫最適化の効果を評価する指標として交叉比率を使うことで、「効率的に利益を出している」状態を正しく評価することができる、ということです。

下図は、在庫最適化に取り組んだ結果として、在庫削減だけが発生した場合と売上の増加だけが発生した場合の交叉比率を比較したものです。

[図]

この例では、在庫が持つ年間利益ポテンシャルが300%から400%へ増加しています。当初の平均在庫金額が1億円ならば、一年間での利益ポテンシャルは3億円から4億円へ増加していることを表しています。

このように、現象が在庫削減または売上増加のどちらかにかたよった場合でも、“企業としての利益ポテンシャルはともに増加していることが正しく評価されています。”

在庫最適化が目指す「お客様価値」

当社の「在庫最適化サービス」は、このサービスをお使いになったお客様が得る価値を、交叉比率でご説明しています。 目標とするお客様価値の平均値は『交叉比率20%アップ』です。

これは、在庫削減のみが達成された場合は約17%の在庫削減であり、売上増加のみが達成された場合は20%の売上増加に相当します。
この目標値はDBM理論の適用事例や私達の経験から見て充分に達成可能なものだと考えています。

  • 注:交差比率とも言う

執筆

NECネクサソリューションズ
シニアコンサルタント 冨澤 雅彦
[日本TOC推進協議会 正会員、日本UML推進協議会 BPMN研究会副主査]

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