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総務人事向け
「月刊総務」編集長が語る、総務から始める働き方改革(第4回)

働き方改革につながるオフィス改革
あえて不便なオフィス配置が生産性を向上させる?

2017年5月

働き方改革につながるオフィス改革
あえて不便なオフィス配置が生産性を向上させる?

世間をにぎわせている「働き方改革」。人事寄りの施策が多いかと思いますが、総務としては具体的にどのように対応していけば良いのでしょうか? 今回は働き方改革におけるオフィス改革を考えてみたいと思います。

生産性と創造性の向上という視点

働き方改革は目的ではありません。働き方を変えることで成果を上げることが目的であり、そのための手段であるはずです。長時間労働を短くするだけでは、売り上げも減少してしまいます。それでは本末転倒。成果を上げることに結びつく働き方改革でないと意味がありません。

労働時間が短くなるのであれば、その分、生産性の向上が必要となります。短時間で効率よく仕事をしなければなりません。また、生産性を向上しても、同じ仕事だけをしていては、売り上げ増にも限界があります。新たな商品、サービスを生み出す創造性を高める必要もあります。

働き方改革においては、このように生産性と創造性の向上が必要となるのです。

一報、総務の仕事の大きなテーマとしては、「働く場」の環境整備というものがあります。

「場作り」という言葉を聞くことが多いかと思います。端的に言うと、オフィス作りです。なので、働き方改革における総務の大事な仕事重要な役割は、このオフィスにおいての生産性の向上と創造性の向上を実現する、ということになるのです。

生産性向上とは、働く場を選べること

オフィスにおける生産性向上のために必要なことは、働きたいモードに合った働く場を提供できることです。集中したいときは集中できる場があり、簡単なミーティングをしたいときには、すぐにミーティングができる場が近くにあることです。多くのメンバーとともに集中して会議をしたいのであれば、それ相応の設備がある会議室が用意されていることです。

このように、ワークスタイルに合った働く場を整備することで、生産性が高まります。従来のような画一的な働く場では、どのようなワークスタイルであっても、同一の働く場を使わざるを得ず、気分転換もモード変換もできません。

あるオフィス什器会社の調査によりますと、会議室での利用において、会議室の場所を自分たちで自由に選べたり、デスクやイスなどの配置を自由に変えられたりすることで、会議の生産性が高まるとの結果もあります。そもそも人は裁量権があるとモチベーションもあがるものです。この流れで、働く場、オフィス内の働く場所を選べることで生産性があがるのです。

創造性向上とは、社内コミュニケーション活性化が図られること

社内コミュニケーションの活性化と言うと、真っ先に思い浮かぶのは社内イベント、そして社内報。しかし効果の点を考えると、日常誰もが利用するオフィスでの一工夫も忘れてはなりません。むしろ毎日使うものなので、最も効果的かもしれません。オフィスにおける社内コミュニケーション活性化のキーワードは「クリエイティブオフィス」。それはどのようなものなのでしょうか?

クリエイティブオフィスとは、社員が持っているナレッジを表に出しやすいようにし、創造的な仕事やイノベーションが起きやすい環境を整えることです。

具体的には「オフィスの見える化」です。どこで誰が、どのような仕事をしているかが、一目瞭然となるオフィスのことです。優れたオフィスとして表彰されるものの多くは、オフィス内に視界を遮る什器や間仕切りがありません。会議室もガラス張りとなっていて、ホワイトボードに書かれている内容や集まっているメンバーを見れば、今どのようなことが会社で起こっているのかがすぐに理解できるのです。

このようにして、仕事の現場が見渡せることで、自身が抱えている課題やジャストアイデアについて、それに関連するナレッジを持っているメンバーを見つけやすくなり、さらに対話がしやすい場が数多くあれば、それだけコミュニケーションは活性化していくというわけです。

フリーアドレスで社員を交わらせる

フリーアドレスも効果的です。従来型のオフィスでは、横に座るメンバーは常に同じ人。同じ目標を追っかけるには大変便利なレイアウトです。しかし、創造性やイノベーションの創出となると、どうでしょうか? イノベーションは異なる点と点が結び付いて、線となったときに生ずる、といわれます。専門分野が異なる人たちが会話することで、イノベーションのベースとなるインスピレーションが生まれます。

フリーアドレスがしっかりと運用されれば、毎日横に座る人は、専門分野が異なる人になる可能性が高く、そこでのざっくばらんな会話がいろいろな気付きやヒントに繋がります。このように社員が常に交われるような働く場を作ることで、創造性を高めていくのです。

「ちょいミーティングスペース」で活性化

対話しやすい場として「ちょいミーティングスペース」という場が活用されています。従来ですと、打ち合わせや会議はしかるべき場所の会議室で行われることが多かったものです。しかし、会議室が埋まっていたり、そもそも数が足りなかったりすると、今思いついたジャストアイデアが生かされなくなってしまう可能性があります。

「ちょいミーティングスペース」がオフィス内に数多く配置されていれば、打ち合わせしたいときに打ち合わせができ、また別段かしこまらなくても会話がしやすい雰囲気となります。先にも記した優れたオフィスには、そのようなスペースがいたるところに配置され、そこにはホワイトボードやモニターも常備され、どのような打ち合わせにも対応できるようになっています。

「オフィスの見える化」と「ちょいミーティングスペース」は、コミュニケーション活性化や、各人が保有するアイデアや暗黙知を形式化するための一つの手です。見渡せるオフィスを歩くことでコミュニケーションが生まれ、そこで話されたアイデアや個人の暗黙知を素早く形式化する。そのためにもミーティングスペースを数多く配置するとよいと思います。

「マグネットスペース」で活性化

みなさんのオフィスもあるいはそうかもしれませんが、コピー機やプリンターが一カ所に集約されているスペースがあります。共用機材や備品を一カ所に集め、そこで偶発的な出会いとそれに伴う会話をさせようとするものが、この「マグネットスペース」といわれるものです。

コピーやプリンターの出力を待つ間、違う部署の同期社員が同じように横で出力を待っていたら、「久しぶり! 元気?」というような会話がされることでしょう。つまり、通常業務ではなかなか会話がされないような人たちを、このスペースで会話させようとするスペースです。あくまでも可能性でしかないのですが、各部署にコピー機やプリンターがある状態ですと、このような会話はほぼされることはないでしょう。

ある企業では、ゴミ箱がオフィス内の一か所に集約され、さらにそのゴミ箱の上には、壁新聞やお知らせを掲示するボードが立ててありました。ゴミを捨てに来る社員間での偶発的な会話、ゴミを捨てる際に必ず掲示物が目に入るという状態です。さらに掲示物について、それをネタにしての会話、そのような可能性を提供する場として活用されていました。

このように、共用スペースを一カ所に集約し、あえて不便な状態にすることで、オフィス内を「わざと」歩かせ、交わらせ、会話がされるようにするのです。

日常的に利用するオフィスですから、定期的に発行される社内報や定期、不定期に開催される社内イベントより、上手に活用されれば、その効果は大きなものとなるのです。

「月刊総務」編集長が語る、総務から始める働き方改革

筆者プロフィール

豊田 健一(とよだ けんいち)

豊田 健一(とよだ けんいち)

株式会社月刊総務 代表取締役社長、編集長

早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルートで経理、営業、総務、販売会社の管理。株式会社魚力で総務課長を経験後、ウィズワークス株式会社入社。その後株式会社月刊総務に移り、現在、日本で唯一の総務部門向け専門誌『月刊総務』の編集長。ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアムの副代表理事や、All Aboutの「総務・人事/社内コミュニケーション・ガイド」も務める。著作に『マンガでやさしくわかる総務の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)、『経営を強くする戦略総務』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

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