ページの先頭です。
サイト内の現在位置を表示しています。
  1. ホーム
  2. ビズサプリ 総務人事ポータル
  3. 在宅勤務の上手なメールとは
ここから本文です。

総務人事向け
日本ビジネスメール協会代表理事が語るテレワーク時代のメール術(第1回)

在宅勤務の上手なメールとは

2021年1月

コロナ禍において、コミュニケーションがより難しくなったと感じていませんか。今までは対面や電話を使ってコミュニケーションのズレを微調整していた人も、テレワークなので会社にいないから話せない、在宅勤務のため相手の予定に配慮してむやみに電話ができないというケースが増えています。
そこで今回は、在宅勤務を円滑にするメールコミュニケーションについて解説します。

対面や電話で埋めていたコミュニケーションの溝が埋められない

仕事は、周囲とコミュニケーションを取りながら進めていくものです。互いの知識や経験、理解力は異なるため、都度、ズレを修正する必要があります。
オフィスに出社して仕事をするときは、対面や電話でこのズレを容易に修正できます。難しいことは口頭で説明して、分からないことは電話をかけて聞いて、手段を使い分けてコミュニケーションを取れます。

しかし、テレワークの導入が進んだ今、リアルタイムなコミュニケーションよりも非リアルタイムなコミュニケーションが増えています。非リアルタイムですから「伝える」と「伝わる」の間にタイムラグがあるのです。

例えば、メールを送信して「伝える」から、相手が受信して「伝わる」までには時間のズレがあります。受信者がメールをいつ開封するのか、いつ読むのかは分かりません。互いが在宅勤務をしていれば、働く姿は見えないので、様子をうかがい知ることもできません。

これにより仕事が遅れることもあり得るので、時間の無駄を無くすためにも、情報の発信者と受信者は今まで以上に予測することが増えています。発信者は受信者の理解力を推察して伝わるように伝え、受信者は「こういうことが言いたいのだろう」と予想しながら理解しようと努めます。

顔を合わせて会っているときは、不明な点があれば「○○という理解でいいですか?」と気軽に声をかけて確認ができます。メールを送って返事がなければ「ちょっといいですか」と声をかけたり、電話をかけたりして、手段を補完することもできます。
しかし、在宅勤務のとき、今朝送ったメールの返事が明朝にきたら、その間だけ仕事は停滞します。期待する返事の期限と、要求に応えるスピードに乖離があれば、コミュニケーションはうまくいきません。

互いに姿が見えない中で仕事をするなら、不調和を避けるための配慮が不可欠です。今、より心を配ったコミュニケーションが必要とされています。自分の希望するペースで仕事が進まないとき、返事がこないとき、相手を責めることはできません。何が起きても対処できるよう時間に余裕を持って前倒しするか、相手の意図を予想して確認せずに仕事を進めるしかないのです。

「読んでいないかも」という前提を持つ

メールを送ったら相手が必ず読んでいるという誤解があります。あなたの送ったメールは、相手のメールボックスの中で迷惑メールに紛れていたり、見逃されていたりするかもしれません。メールは不確実な伝達手段です。

「私はメールを送っているんだから、見ていない相手が悪い」という主張に、どんな意味があるでしょう。仕事を円滑に進めるという目的から外れて、自分の正当性を主張し、保身をはかるようなコミュニケーションを取れば、次第に孤立し、協力を仰ぐのは難しくなります。

どんなコミュニケーション手段も確実ではないからこそ、メールは相手が読んでいないかもしれないことを前提に、活用する必要があるのです。「もしかしたら届いていないのではないか」「読まれていないのではないか」「伝わっていないのではないか」という可能性を常に意識することが、トラブルを未然に防ぎます。

相手を悩ませる(考えさせる)メールを書かない

メールを活用するには読解力を養うことが必須です。相手の意図を理解するスキルを高めていく必要があります。

では、どのように相手の意図を理解すればいいのでしょう。受信者の立場では、まずは、メールに書かれていることが複数の意味に読み取れないかを考えます。次に、それぞれの意味となる可能性の度合いを考えます。その中から確率が一番高いと思われるものを選びます。

言葉足らずな表現から、1通のメールが複数の意味に解釈できることは多々あります。思い込みや先入観から1パターンに決めつけて読むと、そこから誤解が生まれます。

例)上司から「プレゼン資料を作ってください」と依頼があったら

  • 「たたき台を作ればいいだろう」(確率10%)
  • 「完成度は80%で出して、上司の確認を得て仕上げよう」(確率70%)
  • 「そのままプレゼンができる100%のレベルで完成させよう」(確率20%)

この例にあるように「プレゼン資料を作ってください」だけでは上司が求めている完成度が分かりません。仕事では十分に説明されず、指示されることもあります。相手の要求の抽象度が高いときは、複数の解釈を考え、それらの確率を予想します。それが間違っていたと後で分かったら、確率の算出方法を変えればいいのです。

一方、送信者の立場では、受け手を悩ませないメールを書きます。抽象的な言葉を使うと、相手は自分の都合のいいように解釈したり、誤読したりする可能性が高まります。相手が分かる言葉を使って具体的に書くことを心がけ、他の解釈ができるような書き方をしていないかを常に考えます。
曖昧な表現や抽象的な表現は、解釈のズレを生む代表例です。

解釈のズレを生む曖昧な表現

「できるだけ」「なるべく」「すぐに」「時間があるときに」「頑張ります」「努力します」「善処します」「対応します」「確認を徹底します」

これらの表現は全て人によって解釈が異なります。

「対応します」の「対応」とは具体的に何を指すのか。「確認を徹底します」の「徹底」とはどの程度なのか。「1日3回チェックリストを2人で確認します」のように具体的に書けば解釈はズレません。

依頼は期限を切る、期限を伝えなくても裏で期限を設定

期限を切るときに「なるべく早く」「できるだけ急いでください」といった表現を使いがちです。これらも「なるべく」「できるだけ」の程度が不明なので、曖昧な表現です。

厳密な期限を伝えることで、相手に不愉快な思いをさせたくないという気持ちが働くことはあります。相手を嫌な気分にさせたくない、そんな気持ちの裏にも「自分の思う通りのタイミングで対応してほしい」という期待があるのも事実です。

多くの場合は、この期待に反することなく事は進みます。しかし、相手が忙しい場合などは、期待したタイミングで返事がもらえないこともあり、それによって各方面に根回しをしたり、謝罪をしたりと、業務効率が一気に下がります。

仕事は、互いの期待の上に成り立っているからこそ、双方の期待をすりあわせて調和を保つ必要があります。期限が決まっているものは、期限を必ず書きます。期限が決まっていないものは、自分の中で「3日後までは待とう」「1週間経って返事がなければ催促しよう」といったように期限を設け、この期限を越えたらすぐに催促して、こちらの期待を示します。

在宅勤務中、テレワーク中は、顔が見えない、声が聞こえないことが多いからこそ、言うべきことは文字にして、タイミングを逃さずに伝える。それがメールで仕事を円滑に進めるコツです。

日本ビジネスメール協会代表理事が語るテレワーク時代のメール術

いまほしい栄養(情報)をピンポイントで補給できる“ビジネスのサプリメント”
「ビズサプリ」のご紹介

ページ共通メニューここまで。

ページの先頭へ戻る