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日本ビジネスメール協会代表理事が語るテレワーク時代のメール術(第2回)

在宅中は即レス禁止

2021年2月

テレワークになってから、メールの送受信数が2~3割増えたという人も多いのではないでしょうか。重要な話は電話をかけるけど、ちょっとした連絡はメール。そのように使い分けていることもあるでしょう。メールが増えたため、どのタイミングで返信すべきか悩んだり、深夜でもメールをチェックしたりしている人もいます。規則的に返信すれば、即レスは必要ありません。むしろ意味のない即レスは今すぐやめるべきです。今回はメールのレスポンススピードについて解説します。

早い返信は過剰な期待を生む

在宅勤務の場合、パソコンをずっと立ち上げて仕事をしている人が多いでしょう。パソコンの画面が視界に入るので、SNSやメールなどの新着メッセージにすぐ気付き、即座に返事をしようとしてしまいます。そう、いわゆる「即レス」です。確かに、すぐに返信すると相手も喜んでくれて、仕事が円滑に進み、評価が高くなる可能性もあります。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。即レスばかりしていると「いつでも、すぐに返信がもらえる」という期待をさせてしまうのです。仮にいつも30分以内で返信していたとしましょう。相手は「○○さんは30分で返信してくれる」と学習します。その前提でコミュニケーションを取ろうとします。「○○さんは30分後には返信をくれるだろうから、今聞いてみよう。念のため、メールの中にも30分以内で返信してくださいと書いておこう」と時間の余裕がない反応を期待されることにもなりかねません。

深夜でもメールのチェックをして返信するのが普通の状態になると、ここにも期待が生まれます。「○○さんは、夜でも対応してくれるから、20時を過ぎたけどメールを送ってみよう」という状態が続いて、期待を裏切る行為があったら、相手はどう思うでしょう。2時間後の22時に返信した。夜中ではなく次の日の10時に返信した。このとき「○○さんのせいで予定が狂った!」「なんですぐに返信してくれないんだ」と言われて納得できるでしょうか。夜中に返信がくるのはイレギュラーで、午前中の10時に返信がくるのは通常です。一般的にも遅いとは考えられません。でも、イレギュラーな対応が当たり前になると、このような誤解が生まれるのです。

無理した即レスや深夜のレスポンスは必要ありません。相手の過剰な期待を生み、その期待に応えようとして無理するという悪循環を生み出します。無意味な即レスは厳禁です。

即レスは必要ない、4時間後の返信で十分

 『ビジネスメール実態調査2020』によると「送信後いつまでに返信がこないと遅いと感じるか(急ぐ場合を除く)」という問いに対して、次のグラフのような結果が出ています。

送信後いつまでに返信がこないと遅いと感じるか(急ぐ場合を除く)

返信がこないと遅いと感じるのは、送信後「1日(24時間)以内」(44.59%)が最も多く、「2日(48時間)以内」(22.42%)と続きます。なかには「5分以内」(0.13%)、「15分以内」(0.97%)、「30分以内」(1.80%)という回答もありますが、相手がスピードを求めるならば、在席状態が分かるチャットツールなどを利用してチャットを優先するなど、仕事のやり方を変えた方がよいでしょう。このグラフを見ても、4時間程度で返信しておけば問題はないと推察されます。

朝、仕事を始めるときにたまっているメールを全て処理。夕方、仕事を終えるときにはそれまでに届いたメールを全て処理。日中は手が空いたときにメールをチェックし、その都度返信すればよいのです。これならば、ほぼ4時間以内の返信になるでしょう。夜の20時に届いたメールの返信が翌朝9時過ぎにあれば「遅い」と感じる人は少ないはず。

即座に返事をしなければならないメールが、仕事の中でどのくらいありますか。今すぐ水漏れを止めたい、今すぐウェブサイトを復旧したいといった場合は、電話をしてくるはず。多少待てるからこそ、みんなメールを使っているのです。

メールのデスクトップ通知を止め、主体的にチェック

新着メールに気付くから、気になり、返信したくなってしまうのです。メールはソフトを立ち上げていたら、定期的に受信してくれるのが一般的。インターネットに常時接続している場合は、その都度メールの受信を伝えてくれたりもします。1分、1秒を争うような仕事をしている場合は、メールが届いたらすぐに対応するべきです。例えば、一括資料請求サイトから届いた見積もり依頼に対して、1秒でも早く返事をした方が受注率は高いとします。それならば、最優先事項ですから、メールの到着をいち早く知る必要があります。

仕事の中で、メール対応の優先順位を考えてください。通常は今やるべき仕事があり、そちらの方が優先順位は高いはず。しかし、次から次へと届くメールに振り回されれば、仕事は増え続けます。メールを受信すると仕事が増えて、どれを優先するべきか分からなくなることもあるでしょう。目の前にある仕事を着実にこなし、手が空いたらメールを受信すると決めて、交通整理をします。

集中して仕事ができない原因はデスクトップ通知です。通知をオンにしているとメールが気になります。今この瞬間にメールが届いたことを知る必要がないなら、オフにする。メールをチェックするのは、仕事が一段落して時間があるときにしましょう。

催促されない仕事が信頼を生み出す

即レスをしなくてもいい環境をつくるためには、相手からの信頼を高めるしかありません。「○○さんは、こちらの期待通りに返信をくれる」という期待に応え続けたらいいのです。

催促されたことはありますか。催促というのは、我慢の限界を超えたときに行われます。頻繁に催促されている人は、仕事の進め方が雑で、相手の期待に応えられていないといえます。まずは、設定されている期限を守るところからスタートしましょう。次に、メールの一次対応は4時間以内を目標に。完璧な回答でなくて構いません。次のような返信をすれば、相手は全体の予定を把握できます。

  • 上司が不在のため、回答は明日の午前中とさせてください。
  • ただいま仕事が立て込んでいるため、すぐには対応できません。
    明後日(2月10日)18時までの対応でよろしいでしょうか。
  • ご依頼ありがとうございます。本日中には修正を完了させます。

このように依頼のメールを受け取ったことを伝え、今後どのように進行するのかを宣言します。提示する期限が期待に反するなら、相手が言ってくれるでしょう。特に問題がなければ、了承してもらえます。メールを受け取ったことを伝えるだけでも、相手は安心します。それによって信頼が高まるのは言うまでもありません。

日本ビジネスメール協会代表理事が語るテレワーク時代のメール術

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