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総務人事向け
日本ビジネスメール協会代表理事が語るテレワーク時代のメール術(第5回)

不安にさせない、対応漏れを防ぐメール管理法

2021年5月

毎日メールをチェックするのが当たり前になっています。「YES」「NO」の判断を仰ぐようなメールも多く、そうしたメールは1日もあれば返事がくるでしょう。一方、作業が伴うメールの場合、作業時間を考慮すると1日で返事がくるとは限らず、返信までの猶予を持たせている人は多いのではないでしょうか。日々届くメールを、どのように返信するのが効率的なのか。送ったメールを、どのように管理するのが効率的なのか。そのような悩みを抱えている人もいます。そこで今回は、不安を抱かない、相手を不安にさせないメール管理の方法について解説します。

メールが上手い人は相手を不安にさせない

メールは必ず届くとは限らない不確実な手段です。相手の反応が見えないコミュニケーションなので「メールが読まれているか」「意図が伝わっているのか」といった不安が常につきまといます。その都度、電話をかけたり、声をかけたりして「メールは届いていますか」「内容は分かりましたか」とフォローをすれば、信用していないようで疎まれたり、急かすようで迷惑をかけたりするのは目に見えています。

そのため、送信者は不安と戦いながら「メールを読んでもらえる」「返信がもらえる」と信じて待つしかありません。

相手を不安にさせないメール術

私が代表理事を務める一般社団法人日本ビジネスメール協会が毎年発表している『ビジネスメール実態調査2020』では、自分のメールに不安を抱くことがある人は69.40%で、不安の内容は「正しく伝わるか」(76.42%)、「不快にさせないか」(54.13%)、「内容は適切か」(50.60%)と続きます。

不安の内容(複数回答可)
<自分のメールに不安を抱くことが「よくある」「たまにある」と答えた方>

「メールの内容を相手に理解してもらえるか」「メールに書いたことで相手の気分を害さないか」「メールが相手に届くか」などが心配の種だと分かります。メールを送って反応がないと、疑心暗鬼になるでしょう。

「メールを後回しにしているのかな」

「メールの内容がよく分からなくて無視しているのかな」

「メールを読んで嫌な気持ちになって怒っているのかな」

「どうして返事をくれないんだろう」

「何か失礼なことをしたかな」

反応がない理由を、さまざまなところに求めます。自分を責めたり、相手を責めたり。送信者は返事がこないと不安になるものですから、受信者には素早い返信が求められます。受信者も逆の立場で考えれば他人事とはいえません。

すぐに返信できないときは「明日中に回答します」「内容を確認の上、あらためて連絡します」のように、メールを受信したこと、返事をする意思があること、返事をするめどを伝えると、送信者の不安は解消されます。そうしたメールは印象がよく、仕事を滞りなく進めるのに役立ちます。

対応漏れが起こる理由とは

メールの対応が漏れると約束が果たされず、そこに理由があったとしても、多少なりとも信用を失います。返信を期待してメールを送るので、対応漏れは、その期待に反する行為ともいえます。

メールを受け取って対応が漏れてしまう理由は、次のようなものが考えられます。どれも心当たりがあるのではないでしょうか。

  • 返信したつもりになっていた
  • メールを見逃した
  • 意図的に後回しにした
  • 返信が必要だと思わなかった

返信するか、しないかで迷うのは時間の無駄

私は対応(確認・返信)できるときにしかメールを見ません。メールの受信を知ると、内容が気になって見たくなり、見ると返信したくなり、返信を後回しにすれば忘れてしまうからです。「メールを読んで返信したつもりになっている」というのを防ぐには「返信できるときに見て、すぐに返信する」というのが鉄則です。

返信は不要だと思い、放置したら怒られた。返信すべきか、しなくていいのか悩む。そんな経験があるなら、営業メールなどを除く全てのメールに返信しましょう。メールを受け取ったことを伝えます。そして、作業が必要なら対応することを伝えます。作業に時間がかかるなら、いつまでに対応すると期限を切ります。

「ご連絡ありがとうございます」「承知しました」といった返信がくれば、相手は意図が伝わっていると感じて、安心します。メールを受け取ったことの意思表示は全てのメールに該当します。

返信するか、しないかで迷うのは時間の無駄。時間をかけるべきは、そこではありません。まずは全てのメールに返信して、その先で分岐します。

返信が必要なことは分かっているけど、意図的に返信を後回しにして、そのまま返信を忘れてしまったことはありませんか。悪気があって後回しにしたわけではなく、相手の気持ちを配慮して、間を空けて返信しようと思っていたら、すっかり忘れた。そんなこともあるでしょう。

例えば、依頼メールを受信して、すぐに見ることができ、1分後に「お断りします」と返信したら、どうでしょう。素早い対応ではありますが、褒められることはありません。その早さが、かえって全く検討せずに断ったようで、ぞんざいな態度にも映ります。  そのような場合は、返事を書いて下書きに入れておいたり、Gmailなどのメールソフトを使っているなら予約配信したり、違和感を与えないタイミングで返信しましょう。

二重処理をなくせば対応漏れを防げる

未処理メールを1~2割にする方法

メールの対応漏れ防ぐことは、自分にしかできません。会社がやってくれることではありません。「対応が漏れていたら声をかけてください」と相手に委ねるものでもないでしょう。メールを使う一人ひとりが合理的な処理方法を身に付けることが大切です。

私は、自分が決めたメール対応ルールに従って仕事をしています。相手や場面で対応を変える必要のないルールなので、とても楽です。

《平野友朗流メールの対応ルール》

  • 対応(確認・返信)できるときにメールを見る
  • 1分程度で返信できるものは、すぐに返信する
  • 返信が今日できない場合は、メールを受け取ったことと返答期限を伝える
  • 自動通知や一方的な営業メールなどは、目を通すだけでよいものとする
  • 読みにくい、分かりにくい、時間がかかるメールはフラグを付けて後回しにする
  • 後回しにしたメールは1日(24時間)以内に対応する

このように基準を設ければ、未処理メールを1~2割くらいまで減らせるはずです。メールの返信が遅くなることも、忘れてしまうこともなくなるでしょう。一つひとつを淡々と順序通りに処理していくのがコツです。保留状態のメールが減れば、見逃しも防げます。

未読か既読かではなく、フラグで管理

メールが未読か既読かを見て、処理済か未処理かを判断するのは、おすすめしません。開封すると既読になり「後で対応しよう」と思っても、未読にするのを忘れたら処理済と間違えます。

ほとんどのメールソフトに「フラグを立てる」という機能があります。それを使わない手はありません。未処理かどうかはフラグで管理しましょう。フラグを立てたメールは、処理にどのくらいの時間がかかりそうか、あらかじめ考えておきます。仕事の隙間を見つけたら、それらのメールを順番に処理します。

期限が先のものを後回しにして、期限がきてから対応すれば、優先順位にも合う。この手順にも注意が必要です。先延ばしにしている間、メールはずっと視界に入ります。目につくたびに「このメールは、いまは処理しなくていい」「このメールは、後で処理する」と判断し、自分に言い聞かせることになります。判断にはパワーが要ります。視界に入ればノイズになります。パワーが奪われるもの、ノイズになるものは排除しませんか。すぐに返信できるものを後回しにする理由はないのです。

相手の返信を管理すべきか

効率化の秘訣は「管理をしないこと」

メールは、送信・返信・転送のやり取りでコミュニケーションが成立します。自分は返信漏れがないからといって、相手も同じようなペースで返信してくれるとは限りません。送ったメールに返信がこなければ、確認したり、問い合わせたり、催促したりと、返信がもらえていたら要らなかった動作が発生します。それでは、送ったメールに返信があったかどうかは、どのように管理したらよいでしょうか。

以前、送ったメールの返信をフォルダで管理しているという人に出会ったことがあります。送信したメールをクライアントごとの「返信待ち」フォルダに移動させて、返信がきたら、そのフォルダから送信済みアイテムに戻すという、面倒なことを行っていました。非効率ですし、細かい作業はヒューマンエラーを誘発するため、やめたほうがよいでしょう。

全てを管理しようとすれば煩雑になります。煩雑な手順は自分の負担にもなります。だから、管理はしない。これが効率化の秘訣です。

基本的に管理はせず、明らかに重要度が高いメールや特定の相手のメールだけを管理します。例えば、社員が10人いたら、1人くらいメールの処理が下手な人がいるかもしれません。その人の、ある特定のメール(締切厳守のものなど)だけフラグを立てておくのです。返信がきたら、そのフラグを削除します。

管理は、適度に行えば効果を発揮します。ただ度合いが難しいのです。管理しすぎると効率は落ちるので、自分以外のメールは特定の場面だけ管理するのが一番でしょう。

日本ビジネスメール協会代表理事が語るテレワーク時代のメール術

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