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総務人事向け
日本ビジネスメール協会代表理事が語るテレワーク時代のメール術(第7回)

読んでもらえない理由は「見た目」かも!?
「読みたい」→「読める」メールを書くために

2021年9月

メールを送って、伝わらないとき、返信がこないとき、「文章に問題がある」と思う人は多いようです。伝わらないのは文章力がないからだ。敬語ができていないのが原因だ。そうして真っ先に、文章の改善に力を注ぎます。でも、これは完全な思い込みで、誤解だといえます。文章に目を向けることは悪くありませんが、改善の手順を変えるだけで、効果は変わります。そこで今回は、メールを改善するときの流れについて解説します。

「読みたい」と思わなければ、読まない

毎日届く、たくさんのメール。プレビューをして、画面を閉じたくなったり、実際に閉じたりしたことはありませんか。

連絡先としてメールアドレスを公開している場合、明らかに迷惑メールと分かるもの以外は、開かないわけにはいきません。名刺交換した人からのメールは無視できません。返事するべきかを判断するために開封します。つまり、開封の関門を突破できないメールは、比較的少ないといえます。

一方、「誰」が「どんな目的」で送っているのか分かるメールは、開封のハードルが上がります。以前、営業メールを送ってきた人が、同じような内容のメールを毎週のように送ってくる。そうなると、送信者名や件名を見て「開封する必要がない」と判断し、メールは開封されなくなります。最初は開封されたメールが、次第に開封されなくなるのです。

問題は、メールのファーストビューです。開封したけど、複雑な、面倒な内容のようだから後回しにする。後で時間をかけて読んだら、たいした内容ではなかった。そのような経験はありませんか。

開封されても、どんな文章であるかの前に「読みたい」「読める」と思ってもらえるメールになっていないと、読まれません。読んでもらえなければ、伝わらない、返事がこないのは言うまでもないでしょう。

文章をいくら改善しても「読みたくなる」「読みたくない」という気持ちに影響を及ぼしません。読みたくなるかどうかは、レイアウトの問題だからです。

次の二つのメールを比べてみましょう。

「読みたい」と思われるメールを書くために

デスクトップパソコンでメールを見たとき、ファーストビューで30~40行目くらいまで表示されます。通常のメールはそのくらいの分量なので、本文の署名以外の部分がファーストビューで見えます。

メールを開封して本文が目に入った瞬間に「1秒でも少ない時間でメールが読めそうだ」と思わせることが重要です。

まず、文節や句読点など、きりのよいところで改行します。単語が二行にまたがると、視線を忙しく移すことになり、ストレスがかかります。

次に、行間をあけます。メールの全体を「宛名」「挨拶・名乗り」「要旨」「詳細」「締めの挨拶」「署名」に区切って分けます。それぞれの行と行の間をあけることで、空白に挟まれたものは一つの意味のある塊だと認識されます。読まなくても「ここは宛名だ」「次は挨拶と名乗りだ」「その次は要旨が書いてある」と見分けることができます。一文字ずつ目で追うのではなく「ここは流し読み」「ここはしっかり読む」など強弱をつけて読めるので、読むのが断然速くなり、見落としも減ります。

そして、箇条書きにできるものは箇条書きにしたり、記号(■◆●◎・)などを使って見出しをつけたり、内容の区切りを示したいときは行間を二行にしたりします。本連載の第4回「視覚的に全体像が分かりやすいレイアウトサンプル」も参考にしてください。

レイアウトを工夫して「読みたい」と感じてもらったら、次は、すらすらと読んでもらえるように。そのためにも、一文は50文字以内を目安にします。それを超えるときは、文をいくつかに分けます。「~~が、~~ので、~~けれども、~~」のように接続助詞でつなぐと文は長くなります。一文が長くなれば係り受けが複雑になり、意味を取り違えるかもしれません。再読しないと理解できず、読み手のストレスにつながることもあります。

読みたい、すらすらと読める。このプロセスを経て、最後に言葉遣いの改善です。改善の順番を間違えると、無駄な苦労に終わります。

理解してもらえるように伝えたければ、読み手の分かる言葉を使って表現します。普段使っていても、読み手が意味を知らない言葉である可能性があるなら、言い換えたり、説明を補足したりしましょう。

例えば「サステナブル」「SDGs」という言葉は耳にすることが増えましたが、どういう意味なんだろうと思う人もいます。意味を知っていて当然だといえるでしょうか。定着しているとは言い難い言葉なら、言い換えるがほうが無難です。

いま私たちが取り組んでいるのは、サステナブルな社会の実現です。

 ↓

いま私たちが取り組んでいるのは、持続可能な社会の実現です。

「持続可能な社会って、どんな社会のことかな」と相手が疑問に思うと感じたら、説明を補足することも忘れずに。

言葉を選ぶときは「相手が理解できるか」「誤解を生まないか」という観点に立ちます。文章を見直すときは「情報に不足はないか」「これで動いてくれるだろうか」と確認します。メールの改善は、見た目から始まり、文章に終わります。その根底には「これで伝わるだろうか」という読み手への思いやりが不可欠です。

日本ビジネスメール協会代表理事が語るテレワーク時代のメール術

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