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コラム

製造業におけるAI活用検討の第一歩

【第5回】製造業・プロセス業における故障予知AI活用の検討ポイント

2019年6月

故障予知へのAI活用

第1回では、AIの活用に向いている例として、第1回 表2のような業務を例示させて頂きました。

表2. AIのメリットを生かせる代表的な活用例

今回はこの中から、「常時リアルタイム監視による故障検知」と「故障予知による計画メンテナンス」についてご説明します。

過去4回のコラムでは、「向いている業務か」「どんなAIがよいか」「導入までのステップ」の3点に分けてご説明してきましたが、故障検知においては、業務面からのアプローチ「向いている業務か」よりも「どこから、どんな情報を収集するか」を考える方が重要となります。

そこで今回は、「どこから、どんな情報を収集するか」「どんなAIがよいか」「導入までのステップ」の3つに分けてご紹介したいと思います。

どこから、どんな情報を収集するか

故障検知用のデータ取得を検討するとき、問題になりがちなのは、「既存設備からデータを取得できない」点です。 その原因としてあるのは、主に以下の3つです。

  1. 既存設備の計器がアナログである
  2. 既存設備に、データを出力するポートが存在しない(デジタル画面表示のみ)
  3. 既存設備のデータ出力が、連続的でない(バッチ的エクスポート、レポート形式)

このうち、3の場合は、設備メーカーに依頼して、出力方法を変えて頂くこともできる場合があります。
ですが、設備メーカーに対応して頂けない場合や、1や2の場合は、別の方法を検討する必要があります。

このような場合は、アナログ計器・デジタル計器の画面を映像で取得し、画像解析を通じてデジタル化するソリューションなどを活用するとよいでしょう。(図13)

図13.アナログ計器の画像解析によるデジタルデータ化

これで、既存設備で取得していたデータを、デジタル化することができました。
これで故障検知に十分なデータが揃ったでしょうか?それは 1度分析して、確かに故障が検知出来ているかを確認してみないと判断できませんが、不足していたと判断された場合、次に行うのは、「何を取得するのかを考える」ことです。

故障を表現する要素を第4回 図8と同様に整理すると、「既存設備からのデータでは表現しきれない要因」が、ある程度明らかになります。そういった要因について、以下の2パターンで考えていきます。

  1. 直接測定するために必要な機器について考える
  2. 故障や不調の判断に利用していることを挙げ、その情報を取得するために必要な機器について考える

1はそのままですが、2に関しては例を挙げておきます。
例えば、熟練の職人であれば、「いつもとモーターの駆動音が違う」など、感覚で機械の不調を把握している場合があります。
そのような情報を集めた上で、「マイクを設置して、音声データを取得する」、「加速度センサーを取り付けて、振動データを取得する」といった対応を検討します。

他にも、振動を取得するのに加速度センサー、設備自体の温度を取得するのに温度センサー、色の変化を見るのにWebカメラなど、様々な外付けIoT機器を、状況に応じて付加していきます。

どんなAIがよいか

センサーの検討と前後しますが、どんなAIがよいかも考える必要があります。
故障検知では、「故障していない時間の方が圧倒的に長い」「未知の故障も検知したい」という故障の性質から、一般的にはOne-Class分類※が多く用いられます。

  • 第3回 図6で説明したように、「正常なデータ」のみを学習させて、「正常データの範囲から外れたデータ=異常データ」を検出する手法。

では、One-Class分類の中ではどのような手法を選べばよいのでしょうか?
それぞれの手法には、製品化する上での様々な機能の工夫があるため、一概には比較できませんが、手法そのものとしては、基本的には以下のような特徴があります。(図14)

図14.各手法の特徴

故障検知の対象となる設備が、短時間でセンサー同士が連携する設備の場合、時間差はあまり影響しません。
しかし、大きな設備全体での検知や、影響に時間差がある場合(図15)は、考慮する必要があるでしょう。

図15.時間差が影響する場合、しない場合

導入までのステップ

これまで、AIに関する理解を交えつつ、「どこから、どんな情報を収集するか」「どんなAIがよいか」についてご説明してきました。

業務への導入後までのプロセスは、画像検品や需要予測の場合と同様です。(第3回 図7)

ただし、かなりの短時間・大量ロット生産品でない限りは、様々なIoT機器の試験導入と、それに伴うデータ収集などに時間がかかるため、PoC期間が長くなったり、費用がかさんだりする可能性がある点に注意が必要です。

ここまで、製造業・プロセス業における故障検知AI活用の検討ポイントをご紹介してきました。
次回からは、原料の配合結果予測についてご紹介したいと思います。

まとめ

※分かり易さを優先するため、表記に一部曖昧な点や、不正確な点が含まれる場合があります。ご了承ください。

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