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コラム

製造業におけるAI活用検討の第一歩

【第6回】製造業・プロセス業における配合結果予測AI活用の検討ポイント

2019年7月

配合結果予測へのAI活用

第1回では、AIの活用に向いている例として、第1回 表2のような業務を例示させて頂きました。

表2. AIのメリットを生かせる代表的な活用例

今回はこの中から、「配合結果予測AI活用」についてご説明します。

これまでのコラムで紹介してきた業務は、「画像やデータから、予測や判別を行う」こと自体が目的でした。
しかし、予測や判別を行うAIには、別の応用的な使い方もあります。それは「シミュレーション」です。

予測のシミュレーションへの応用

第4回のコラムで紹介した需要予測AIは、「売上に関連するデータ(説明変数)」をもとに「売上(目的変数)」を予測するものでした。(図8)

図8.目的変数と説明変数

これを、「品質に関連するデータ(説明変数)」と「製品の品質(目的変数)」に置き換えると、「品質に関連するデータ(現在の原料、現在配合設定など)から、製品の品質を予測するAI」が出来上がります。(図16)

図16.目的変数と説明変数(製品品質の場合)

では、もしもその予測結果が「製品の品質は悪くなる」だった場合、次に何を行うべきでしょうか?
人的な対応としては、異なる品質の原料ロットに置き換えたり、配合時の機器設定や配合比率などを調整した上で、再び品質を予測し直すことになるでしょう。

しかし、少し調整する度にAIにかけ、結果を確認し、また調整…では時間がかかってしまいますし、その調整具合は職人の勘と経験に頼ることになってしまい、AIのメリットを活かしきれません。

ここで、投入するのは「現在の品質」や「現在の設定」など、実際のデータにする必要はない、という点に着目します。
あくまでコンピューター上の予測なので、設定値を勝手に書き換えてAIに投入しても、全く問題ないのです。

ですので、予め「調整できる可能性のある組み合わせ」を何百通り、何千通り、何万通りも自動で作成し、まとめてAIに予測させてみます。
すると、その膨大な組み合わせの中には「製品の品質が良くなる」と予測されるような組み合わせも、含まれている可能性が高いでしょう。こうすれば、熟練の職人に頼ることなく、よい配合や設定を見つけることができます。(図17)

図17.職人の勘と経験をマシンパワーで代替

AIそのものとしては、単に予測を行うものと同じものです。
しかし、このように使うことで、職人の勘に頼ることなく、期待する結果となる組み合わせや設定値を探せるため、更に業務に役立てることができます。

これが、予測AIの応用「シミュレーション」です。

向いている業務 / どんなAIがよいか

では、シミュレーションに向いているのは、どんな業務でしょうか?

シミュレーションは、「よい予測ができるAI」が出来て初めて実現できます。
そのため、向いている業務は、需要予測の際にご紹介した図10と同様、主に2つの要素で説明できます。

図10.発注量と説明変数の関係

  1. 品質の変化を説明するデータを、どれだけの種類揃えられるか。
  2. データ量は十分か

向いていない業務としては、「過去に例のない品質の原料」や、「過去に製造したことのない配合」の品質シミュレーションです。これらを行うためにはさらに緻密で膨大なデータと、科学的知見の融合が求められます。(例えば材料科学の分野では、マテリアルズ・インフォマティクスといわれる領域です)

どんなAIがよいかに関しても、需要予測と同様、「ブラックボックス型」か「ホワイトボックス型」か、の知見が活かせます。

図11.ブラックボックス型AI

図12.ホワイトボックス型AI

シミュレーションそのものには、正確さのみが求められ、その判断理由を説明する必要はありません。 しかし、未知の要因で大きく変動する場合や、外れ時の損害が大きい場合、最後は人がチェックしたい場合などは、ホワイトボックス型のAIを用いるとよいでしょう。

全体の検討ステップ

これまで、予測AIの応用「シミュレーション」についてご説明してきました。

AIとしては需要予測と作り方は同様なので、業務への導入後までのプロセスも、需要予測の場合と同様です。

図7:業務への導入プロセス

ここまで、製造業・プロセス業における品質シミュレーションAI活用の検討ポイントをご紹介してきました。
次回からは、もうひとつの応用方法、「影響要因分析」についてご紹介します。

まとめ

※分かり易さを優先するため、表記に一部曖昧な点や、不正確な点が含まれる場合があります。ご了承ください。

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